相場が荒れていますね。
NYダウは4日続落、▲2,000ドルの下落となりました。
先のことはわかりませんが、まだ危機が収束する見込みも立ってない以上、
当面は下落局面が続くことも想定しておくべきでしょう。
スポンサーリンク
本日は、投資の世界における偉大な先達の言葉をご紹介します。
こういう時こそ、数々の荒波を潜り抜けてきた先達に学ぶときでしょう。
私のブログのタイトル名も、こうしたときの道標になるような情報を提供してきたい、という思いから付けたものです。
ハワード・マークスってどなた?
ハワード・マークスは、米オークツリー・キャピタル・マネジメントの共同会長兼共同創業者です。
同社は米国で指折りの投資会社でして、運用資産総額は1190億ドル(約13兆円)に及びます。
そして、彼は不良債権投資の名手です。今のように、マーケットが血を噴いているときにこそ、儲けるチャンスを見出してきた方です。
また、彼の著書は(おそらく)世界一有名であろうウォーレン・バフェット氏が絶賛したことで有名です。
あまりに素晴らしいので、バフェット氏は自分の会社の社員に配ったほどとのエピソードもあります。
今回ご紹介する内容も、その著書から引用しております。
こちらの本になります。
|
「心理的要因の影響力を侮ってはならない」
彼の教えの1つに、
「心理的要因の影響力を侮ってはならない」
というものがあります。
まず彼は、人間の負の側面に焦点を当てています。
強欲、恐怖、「不信の一時停止」、同調、嫉妬、うぬぼれ、降伏はすべて人間に生来、備わっているものであり、行動を強いる大きな圧力となる。極端な状況で群衆がこれらを共有した場合は特にそうだ。
そうです。強欲と恐怖、そして同調です。
明らかな過熱局面であっても、
「もう少し、もう少し相場に付いていこう。。」
と、利益確定のタイミングを遅らせてしまいますし、
逆に、今回のような暴落に出会うと、
「どこまで下がるのかわからなくて怖い!早く楽になりたい!」
と、とにかくポジションを解消したくてたまらなくなります。
そして、
「ほかの人たちも、同じことをしてるんだから急がなきゃ!」
と、周りと同じ行動をとる誘惑に駆られます。
しかし、ハワード・マークスはこうした心の動きを、「当然のもの」と考えているようです。
こうした心理的要因は他の投資家にも影響を及ぼすものであり、…影響を受けずに済む、無関係でいられる、などと考えてはならない。
マーケットが血を噴いているとき、確かに、私たちは群衆心理の影響を受けるのです。
これには、深く共感いたします。
私自身、これまで何度もこの「影響力」を受けてきました。
頭では「冷静になろう」「焦りは禁物だ」と思っていても、
いざ下落局面などに出会うと狼狽してしまうものです。
影響力を感じても屈服してはならない。それよりも、そうした心理的要因がどのようなものなのかを認識し、立ち向かわなけれならない。理性をもって感情に打ち勝つ必要があるのだ。
ハワード・マークスは、こうした人間の弱さ=心理的要因を認めたうえで、それに打ち勝たなければならないと言います。
この心理的要因の厄介なところは、
「他人と同じ行動をとらせること」
だと、私は感じております。
他人と同じ行動をとると何が起きるかというと、
- みんなが買っているときに買う ≒ 高値で買ってしまう
- みんなが売っているときに売る ≒ 安値で売ってしまう
ということに、なりやすいです。
そして、恐怖と欲望に打ち勝たない限り、
こうした行動を繰り返す「負のサイクル」に入ってしまうのです。
ですから、「心理的要因」が自分に何をさせようとしてるかを認識し、
それを断固拒否する心構えが必要なのです。
最後に:投資における最大の敵は自分自身だ
と言うわけで、本日はハワード・マークスの名言の1つをご紹介しました。
彼の言葉は非常に示唆に富むものばかりで、どれも是非ともご紹介したいものばかりです。次回も、彼の言葉を紹介する予定です。
そんな中で、始めにこの言葉を選んだのは、(私も含めて)多くの個人投資家にとって、極めて重要なことだと感じたからです。
個人投資家、とくに投資自体に興味があるわけではなく、純粋な将来の資産形成を目的とされている場合、積立投資をされている方が多くいらっしゃると思います。
そうした方にとっての最も避けたい悲劇は、今のような下落局面で狼狽売りをして、積み立てを止めてしまうことです。
そのトリガーを引いてしまうのが心理的要因、恐怖なのです。
言い換えれば、
投資における最大の敵とは、投資戦略を曲げてしまう自分自身の心なのです。
まだまだ、現在の下落局面は足が長い可能性があります。
そうした中でも、皆さんが自分自身の思いを貫き通し、将来の資産形成の地盤を固められることを願っております。