年末のヴァンガードの記事の中で、最近のテクノロジーセクターの割合の増加を踏まえた修正バリエーション指標が提示されていた。以前からこれがあったかどうか覚えてないのだが、昨今の産業構造の変化というか、さらなる先鋭化を踏まえた反映なのだなあとしみじみと眺めていた。インデックスの中で成長企業が占める割合が大きくなってきたので、バリエーションもそれに合わせたものにせにゃならん的なことも書いてあった。
よくインデックスの中でテクノロジーセクターや上位企業への集中度が問題にされることがあるけど、そもそもインデックス自体が産業規模を代替する時価総額をベンチマークに決まってるんだから、産業構造がそのようになったらインデックスもそうなるだろう、と思っている。もちろん過度なバリエーションによって産業実態よりも時価総額の方が大きく膨らんでるなら問題なんだろうけど。現在は世界の富の創出の多くがテクノロジーセクター、とりわけその上位企業から生まれるような構造になっているため、単にインデックスがそれを反映しているだけという理解だ。
…とか書いていたら、M7は利益増に比してバリュエーションの伸びが早過ぎるとのご意見もあった。まぁ、バリュエーションは伸び縮みするしね(クソ雑)
これとセットでよく言われるのがインデックスがモメンタム投資というやつで、これもそれ自体は「空が青い」っていうのと変わらないと思ってる。モメンタムで警戒をしなければならないのはたまに発生するリバーサルで、実態以上に株価が膨らんだ時の逆回転である。ただこれはたまに発生しないとバブルが行くところまで行ってしまうので、むしろガス抜きとして健全だと思ってるし、定期的に投資のチャンスが来るからむしろお得だろうぐらいに思っている。さっきのバリュエーションの話も、これよね。
これから本格的に生成AIの発達でテクノロジーセクターへの富の集中が加速した場合、上記のような傾向も同じく強まると思われる。そうした際に伝統的な分析方法では実態を捉えられないことが増えてくるんじゃないかなと感じている。これは IT バブル時代の変なバリエーション指標みたいな話じゃなくて、裏側の実態の経済の方も実際に変わってきてっていう話。このことも頭の隅に入れておきたい。
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