資産形成の灯台

投資・投機との関わり方に関する思索を垂れ流すブログ。

ワイのポートフォリオの組み方のアイデア / オルカンかS&P500か?とか

今日はポートフォリオ構成に関する考え方について書いていこうと思う。

以前の記事で、最近の私のポートフォリオ構成を曝している。どういうつもりでこういった構成になっているか、また私の中でこれをどのように捉えているか、腹落ちしているかというのを書いてみたい。

 

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信念の階梯:信じている順に積み上げていく

結論から先に言うと、以下のようなイメージを自分の中で作っていくのが大事なんじゃないかなと思っている。かっこよく()「信念の階梯」と名付けた。

 

 

これは私が頭の中でモヤモヤと考えていることを図にしてみたものである。

下に行くほど、その投資対象に対する強い信念を持っていることを意味する。例えば一番下のS&P 500は、米国という国に対する信念を表している。

2番目のナスダック100は、ハイテクを中心とした成長分野に対する信念を表している。

そして、一番上の半導体とFANG+がプラスについては、特定のセクターや、企業群に対する信念を表している。

 

まとめると、

  1. 成長分野
  2. 個別のセクターや企業

…という感じにだんだんと、投資対象としてのスコープが狭くなっていくのである。分散の度合いが薄まり、集中度が高くなっていくと言い換えてもいいだろう。

 

もう少し詳しく述べると、私は米国という国に対する信念を最も強く持っている。その中にはハイテク産業だけではなく、幅広いセクターが含まれている。米国が持つ自由市場経済と資本市場は、今後も世界において最も投資家が信頼を置けるものだと信じている。そこから生まれてくる産業は、今後も投資家に利益をもたらすだろう。

 

その上で、ハイテク産業を中心とした成長市場を信じている。浮き沈みはあれど、この分野は今までS&P 500を上回るパフォーマンスを上げてきた。バリュエーションの要因もあるとは思うが、純粋に他のセクターに比べてEPSの成長率が高いから、というのが主な理由だと考えている。

今後、この傾向が崩れてしまう可能性もないわけではないが、情報技術等が生み出す高い成長率・利益率が一朝一夕で失われるということもまた信じにくい。だから私はこの成長分野に対して、一定程度のエクスポージャーを持ちたいと考えている。

 

そして最後に、私は半導体や、それを活用して様々なサービスを生み出す大型テクノロジー企業が大好きである。元々データセンター需要などを当て込んで半導体にエクスポージャーを振り分けていたが、生成AIが登場してからは俄然、このセクターに対する信念が深まった。もともと半導体分野は非常にボラティリティが高く、昨今は地政学リスクなども意識されるところである。しかしそうしたリスクや不確実性に鑑みても、私の中では潜在的なリターンの魅力が上回っている。

 

そして、生成AIから生み出される利益を最も享受できるのは大型のテクノロジー企業だと考えている。

生成AIはモデルに入力するデータ量やパラメーターの数に比例して能力が高まっていくことが知られている。そして、それらを用意するには莫大な金がかかる。つまり、この分野では資本力がものを言うのである。現状マグニフィセント7に代表される大型テクノロジー企業に対する各種リソースの集中度は極めて高く、これを新興企業が覆すのは容易ではない。

なんなら、新興企業が出てくるとライバルを潰すために彼らが買収してしまう。だからこそ、彼らは高い利益率と成長率を維持していけると考えている。

 

このように、私は基盤として信頼が置けるものに投資をしつつも、その上で自分が信じてるものに対して、集中的にエクスポージャーを振り分けている。そういった自己認識を持っている。

問題意識:もっと感覚的に自分のポートフォリオの意義を掴める思考の枠組みはないか

このようなことを書いたのは、私のようなパンピーの投資家が自分のポートフォリオをどのように考えれば良いのか、ということについてもやもやとしていたからだ。

 

世の中には色々な考えが溢れていて、例えば、現代ポートフォリオ理論における効率的フロンティアのようなツールもある。一方で、こうしたものは数学的素養があるものや、よほど資産運用に興味があるものでなければ、実際に自分で投資をする際の判断材料としては使いにくい。

仮に使ったとしても、日々の市場の変動にさらされる中で、自分が納得できる判断をしたんだという自己効力感というか、コントロール感みたいなものは得られにくい。私のようなパンピーをなめてはいけない。

 

だからもう少し、感覚的に自分の信念を投影できるような考え方のフレームワークが欲しかったのだ。それを言語化したものがこれである。

 

S&P 500とオルカンを半分半分で持つみたいなポートフォリオもTwitterで見ることがある。これに対して、「分散の観点から意味がない」みたいな意見も見るけど、私は個人の納得の観点からすれば全然ありなんじゃないかと思っている。

先ほどの信念の階梯に当てはめると、一番下にオールカントリー、つまり全世界は成長していくだろうという信念が基盤としてある。その上に、その中でも米国は安定してさらに高い成長率を上げ続けるだろうという信念が乗っかっている。このような、より広いものからより狭いものに対する階層的な捉え方をするのが、分かりやすいんじゃないのかなと思っている。

 

もう少し感覚的なイメージで伝えると、私にとってはこういうのは積み上げていくイメージなのである。積み上げたところが、リスクが濃くなっていくみたいな。ポートフォリオはよく円グラフで表されるが、私のような投資の仕方をしていると「なんかこう並列の関係じゃないんだよな」というのが気になる。まあ高配当の部分は毛色が違うんで、並列の関係なのかも知らんけど。先ほどの図みたいな割と似通ったものもいっぱい持ってて、そうした中でそれらの関係性をどう捉えるかというところが、イメージが欲しかったのだ。

で、どのぐらいリスクの濃いところを積み上げるかは、自分の信念の度合いによる。それが50%なのか30%なのか、みたいなところは個々人によって違う。こういう考え方がしっくりくる。

 

なお、分散の観点については、一番下の基盤のところで十分に広いユニバースを持つものに投資をしているのであれば、そこまで目くじらを立てて考える必要はないんじゃないかなと楽観的に考えている。

結果的に相関が高いものが重なることも多いと思うけど、そもそもこの階梯は分散を志向したものではない。「信念が濃い」ところに、集中投資をするためのものである。自分のポートフォリオの中における「信念の濃さを調節する」と言い換えてもいい。

 

私の中ではこういう考え方をすると、自己効力感やコントロール感があると感じる。投資をする上でこれらは非常に大事だと思っている。ほとんどトレードをしないバイアンドホールドの投資家を想定した場合、重要なのは握力である。超長期の時間軸においては投資対象が右肩上がりで上がるだろうと信じている場合、短期的な市場の変動はノイズであり、自らの心を揺さぶる邪魔なものとなる。

 

こうした際に、自分は自分が信じた形で投資をできている、という感覚を得られていれば、市場の変動に対して冷静に対処ができるのではないかと考えている。

市場の変動に対して動揺をするのは、このような自己認識が確立できておらず、変動を受け入れる覚悟ができていないからである。だからこそ、一見すると投資戦略には関係がなく見える自己認識や内省が重要になるのだ。

 

一応誤解なきように言っておくと、信じていれば必ず救われるというようなことを言っているのではない。リスクや不確実性を排除することはできない。

その上で、まず期待するリターンを得るための最低限の条件として、自分が信じている投資戦略を実行する必要があり、それをやり遂げるにはどうしたらいいんでしたっけという話である。

 

以上はあくまで、私がこう考えると腹落ちするというだけである。一方で、世の中にはオルカンにしようかS&P 500にしようかみたいなことで悩んでる人も多くいると思う。そういった人はあまり難しく考えず、「基本は全世界なんだけど米国も良いっぽいから半分ぐらい積んどくか」くらいの感覚でいいんじゃないかなと思う。

内容にもよるが、パフォーマンスが誤差レベルのことも結構あると思うし。そこで悩んでいるよりは、さっさと投資を始めた方がいいと思う。

 

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