資産形成の灯台

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公正世界仮説が投資行動に与える影響について

先日、ブログで道徳観が投資行動に影響を与えていると思うという主張を書いた。

 

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端的に言うと、正しい投資方法を実践していれば報われるというような考え方である。正しい投資方法というのは、例えば、長期分散の積立投資などである。これに対して、レバレッジなどは「道徳的に正しくない」投資方法であり、いつか必ず悪い結果になる=報いを受けるというようなことを意識的に、または無意識的に考えているようなものである。

 

こうした考え方とほぼ同じような概念として、公正世界仮説という概念があることを知った。認知バイアスの一種らしい。今日はチャットGPT先生にほとんど文章を書いていただいて、公正世界仮説をベースにしながら改めて考えをまとめてみた。

 

 

公正世界仮説は、投資のリスク評価を歪める

公正世界仮説は、人間の心理に根ざした一つの信念で、その中では努力や行動は必ず結果として報われ、逆に不正行為や悪徳は必ず罰せられるという考え方が存在します。これは投資の世界においても多くの人が信じている概念で、この観点からすれば、「正しい投資方法をしていれば損をするはずがない」、「損をするのは無計画なギャンブルをする人々だけだ」という信念があります。

 

この信念は、一見、正しい投資方法を追求すれば安全であるという理解につながります。しかし、実際の投資の世界は必ずしも公正でないことを認識することが重要です。それは、情報の非対称性、市場の不確実性、そして時には単純な運など、投資には予測不能な要素が存在するためです。

 

正しい投資方法を実践しているにもかかわらず、損失を出すような事態に直面した場合、公正世界仮説の観点からはその現実を受け入れることが難しくなります。その結果、投資家は自分の投資戦略やその結果を理解し、適応することが難しくなる可能性があります。

 

しかし、成功する投資家は、自分の投資が必ずしも公正な結果をもたらさないことを理解しています。彼らは、「正しい」投資が必ずしも「成功する」投資とは限らないという現実を受け入れ、その上でリスク管理を行い、投資戦略を調整します。

 

公正世界仮説とは異なり、投資の世界は完全な公正性を持つものではありませんが、それが投資家を落胆させるべきではありません。むしろ、その認識はリスクを適切に評価し、より良い投資判断をするための重要なステップとなります。投資における公正さは必ずしも即時の利益をもたらさないかもしれませんが、それは長期的な視点で見ると、賢明な投資戦略とリスク管理によって成功へとつながることでしょう。

公正世界仮説の投資の文脈におけるメリットとデメリット

公正世界仮説が投資の世界に持つ影響は、その信念が投資家にとってメリットとデメリットの両方を生み出すことがあります。

 

まず、メリットとして考えられるのが、公正世界仮説が投資家にとっての行動の動機づけになることです。具体的には、報酬を得られるという信念が前向きに投資を続ける強力な推進力になるのです。投資の世界は時に難解であり、初めての一歩を踏み出すのはなかなか勇気がいるものです。しかし、努力と学習が必ず報われるという信念があれば、その第一歩を踏み出す勇気が湧き、また長期的に投資を続けるモチベーションを保つことができます。

 

一方で、公正世界仮説のデメリットとは、この信念が過度になると現実との間にギャップが生じ、冷静な判断を難しくすることです。市場は常に変化し、それが時には投資家の期待を裏切る形となります。例えば、正しい投資戦略を採用しているにも関わらず損失を出すといった状況がそれに該当します。このような状況で、公正世界仮説に固執すると、現実と信念のギャップに直面し、その衝撃から立ち直ることが難しくなります。これは冷静な判断を阻害し、結果として投資戦略の見直しや必要な調整が適切に行えなくなる可能性があります。

 

結論として、公正世界仮説は投資に対する初期の動機づけを提供する一方で、過度に信じ過ぎると市場の変動に対応する能力を損なう可能性があります。そのため、投資家はこの仮説を理解し、自身の投資戦略とバランスを取ることが重要です。その上で、現実の市場環境と自身の信念との間にギャップが生じた時には、冷静に現実を受け入れ、必要な戦略の調整を行う柔軟性を持つことが求められます。

どのような性格特性が公正世界仮説を信じやすいのか

公正世界仮説に根ざした投資判断を行うことが特に容易な性格特性について考察する際、心理学の枠組みである「ビッグファイブ」という性格特性の5つの側面を参考にすることができます。

 

心の開放性(Openness): 心の開放性が低い人々は新しい情報や視点をあまり受け入れず、既存の信念や規則に強く固執する傾向があります。これらの特性は、公正世界仮説を強く信じ、それに基づいた投資判断を行う可能性を高めます。

 

誠実性(Conscientiousness): 誠実性が高い人々は、ルールや規則を尊重し、計画的で一貫性があります。この特性は公正世界仮説に基づいた投資判断に影響を及ぼす可能性があります。なぜなら、彼らは自分が正しいと信じるルールや戦略を遵守することが、最終的に良い結果をもたらすと信じているからです。

 

外向性(Extraversion): 外向性が高い人々は、より楽観的な世界観を持つ傾向があります。この楽観主義は、公正世界仮説に対する信念を強化し、努力と結果が結びつくという考え方に共感する可能性を高めます。

 

神経症傾向(Neuroticism): 神経症傾向が低い人々は、ストレス耐性が高く、不確実性や変動に対して冷静に対処できます。これは一見、公正世界仮説とは対立するかのように思えますが、一方で彼らは公正世界仮説の観点から見れば「不公正」な結果に遭遇したときにも、より冷静に対処することができます。

 

協調性(Agreeableness): 協調性が高い人々は、他人との関係を重視し、公平さや公正さに重きを置きます。これらの特性は、公正世界仮説を自身の投資判断に取り入れる傾向を強化する可能性があります。

 

公正世界仮説を投資判断に取り入れやすい性格特性を抽象化すると、以下のように要約することができます:

固執性: 一旦形成された信念や規則に強く固執する性格。

誠実性: 規則を遵守し、計画的な行動を重視する性格。

楽観主義: 世界を肯定的な視点で見る、楽観的な性格。

公平志向: 公平さや公正さを重視する、他人との協調を求める性格。

 

これらの特性は、公正世界仮説に基づいた投資判断を行う傾向を高める可能性があります。それは彼らが努力と結果の因果関係を強く信じ、またその公正性を重視するためです。しかし、市場の変動性や不確実性を理解し、適応するためには、これらの性格特性を適切にコントロールし、バランスを保つことも重要となります。

日本社会の文化的性質が公正世界仮説を育む

これらの性格特性が形成される背景について考察する際、日本の文化や社会環境が大きな役割を果たしていることが指摘できます。特に学校生活や会社生活、そして広く日本社会が共有する道徳感は、これらの特性を育む土壌となり得ます。

 

固執性と誠実性: 日本の学校教育では、ルールの遵守や計画的な行動が強く求められます。また、規律正しさや一貫性は、集団内での評価や地位を左右する重要な要素となります。このような環境は、一旦形成された信念や規則に強く固執する傾向、そして規則を遵守し計画的な行動を重視する傾向を育てる可能性があります。

 

公平志向: 日本の道徳教育や社会生活では、公平さや公正さが強く重視されます。一人一人が等しく扱われること、適切な報酬が努力に対して与えられることなど、公正な社会秩序の重要性が教えられています。これらの価値観は、公平さや公正さを重視する、他人との協調を求める性格の形成を促す可能性があります。

 

以上のように、日本の教育や社会生活は、公正世界仮説を投資判断に取り入れやすい性格特性の形成に影響を与えていると考えられます。

どうしたら構成世界仮説にとらわれずに済むのか

投資の世界では、公正世界仮説にとらわれてしまうことは避けられない課題とも言えます。しかしこれを克服する方法について考える際、以下のポイントが役立つかもしれません。

 

まず、我々が信じることと、その信念が報われることは必ずしも同一ではありません。例えば、我々が正しいと信じる投資方法を行っているからといって、それが必ずしも報われるわけではないのです。市場は非常に複雑なものであり、数多くの変数が絡み合っています。そのため、必ずしも信念通りの結果が得られるわけではありません。

 

次に、投資を続けるためには一定の信念が必要です。市場は絶えず変動し、不確定要素が多いため、一定の信念なくしてポジションを維持することは難しいでしょう。しかし、その信念が揺らぐような事態が起きた時、我々は冷静にその信念を見直し、必要であれば棄却する決断をしなければなりません。

 

これは組織学習理論における「ダブルループ学習」の概念に似ています。ダブルループ学習は、現行のフレームワークや信念体系を見直し、新たな視点で問題解決を図るというアプローチを指します。投資においても、自身の信念体系を見直すことで新たな視点や戦略を発見することができるかもしれません。

 

最後に、信念を棄却すべきかどうかの判断には「正解」はありません。それはあくまで個々の投資家が自身の判断で行うものです。それが投資を難しくもあり、また面白くもする要素の一つです。市場の変動を読み解き、自身の信念と現実とのギャップを埋めるための戦略を考えることが、成功する投資家にとって必要なスキルと言えるでしょう。

 

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