資産形成の灯台

投資・投機との関わり方に関する思索を垂れ流すブログ。

テクノロジーセクターを握って寝てるのは正義なのか?

最近は短期トレードもせずぼんやりとETFを握っているだけになっています。半導体を中心としたテクノロジーセクターが非常に好調なので、やることがありません。前年比でプラス40%~50%とか意味が分かりません。

どうしても何か能動的なアクションをすることで儲かるというようなイメージが脳みその隅っこにこびりついているのですが、強気相場でポジションを作れている時はあまりガチャガチャと動かさず、素直にバイ&ホールドが正義です。

 

最近はQQQ(NASDAQ-100)の長期チャートを見ながら、バイアンドホールドについて思いを馳せています。

 

 

私がくっそ適当に引いた線ですが、過去40年にわたって均すと結構安定した成長率になっています。1年あたりの平均成長率でおおよそ13%程度です。

よくモンテカルロシュミレーションで退職確率などを計算すると株価が極端な方向に触れた場合のケースも出てきますが、実際には平均回帰の傾向があるように見えます。つまり、めちゃくちゃ悪い年の次にはめちゃくちゃ良い年になったり、その逆もまたしかりということです。長期にわたって1方向に乖離し続けるということは、現実的ではないということです。ただもちろん、数年単位で平均から乖離するトレンドが続くこともあるみたいですが…

 

こうして眺めていると真にバブルと呼べるものは、2000年頃のITバブルぐらいだろうという風に見えます。

この時は長期トレンドの線から大きく上方に乖離をしています。それ以外の時はここまでの大きな乖離は発生していません。よくメディアで今はバブルとか過大評価とか言われますが、マジもんのバブルというのはこういうことを言うのだと感じます。

 

ここから雑に投資方針を導出してみようと試みますと、

  • 基本的に長期で握り続ける
  • 資金が余裕があるなら一括投資でOK
  • ただし、ITバブルの頃のように上方へクッソ乖離している場合は様子見

…という感じでしょうか。これに金融政策のサイクルも合わせて考えれば、大きな失敗はないのではないかと思います。買ったタイミングにもよりますが、年率10%超のリターンは文句なしです。テクノロジーセクター万歳です。

 

一方で長期トレンドからの下方への乖離もたまに起きるわけですが、これはしょうがないよねという話です。そのうち長期トレンドに戻るだろうという信念(信仰、祈祷力とも言う)があれば、それほど支障なく心穏やかに握っていられるわけです。

 

過去のデータの検証をしても基本的には一括投資が有利ですし、極端な過大評価をされていない限りは期待リターンが大きい分野に一度に資金を投入するのは悪くないと思います。この「概ね妥当な原則」と「例外」を柔軟に運用するというのがいいと思います。特に私のように数学的思考が苦手な人間にとっては、雑に長期の棒線を引っ張って「まあ今ならええんちゃうか」ぐらいのざっくり判断の方が気持ち的に楽です。

 

あとよく言われるのは「これまでの10年はナスダック100に含まれるような企業が躍進してきたが、次の10年はわからない」というような言説です。

これ自体を特に否定する気はないのですが、「でも一方でそんな簡単に産業構造の変換起きねえだろう」という気もしています。

投資の話になると皆さん非常に時間軸が伸びて行くのですが、例えば向こう3年だって、いつもの生活感覚からすれば相当に長い期間です。その間にいきなり産業構造の変換が起こって上位の企業が一掃されると考えるのはそっちの方が極端ではないかと思います。普通に3年ぐらい持ち株が上がってくれたら嬉しいですし、別の銘柄に乗り換える選択肢もあるわけですから、私は基本的に勝ち馬に乗っていくというのが好きです。

 

一方でQQQに含まれるような企業が過去に成長してきた背景は、頭の中にストーリーを持っておく必要があると思います。

近年はモノの生産からサービスに経済がシフトしており、テクノロジーはこれと非常に相性が良いです。またテクノロジーは一度基盤を築いてしまえばビジネスをスケールさせるのが容易なため、相対的に高い成長率を有するという点があります。

さらに言えばプラットフォーマーのようなビジネスは勝者総取りの構図であり、QQQの上位に含まれるようなメガテックだけがガンガン成長していく、というような特徴もあります。

よくS&P495みたいなものとメガテックのパフォーマンス比較みたいなのがTwitterに流れていますが、こうしたストーリーをよく表現しているチャートだと思います。

QQQに多く含まれるテクノロジーセクターが他のセクターをアウトパフォームしてきたのは、このような背景があると理解しています。

 

このような構図が一朝一夕で変わるかというと、なかなか難しいんじゃないかなという気がしています。産業構造の変化の兆しを見極めることは難しいですが、変に逆張りをするよりは素直に今勝っているものに投資をした方が良いと自分は考えています。