本日は、私の親が金融機関に騙されたときの話をしようと思います。
皆さんに於かれましては、
「はぁ~、こんなアプローチで仕掛けてくるのね、、」
という、心の準備のためにお読みいただければ幸いです。
「いきなり親をネタにするのか、、(困惑)」と、思われる方もいらっしゃるでしょう。
ご安心ください。そのうち、自分の失敗談も記事にします。
ある日、帰省したら、、
私は毎年、正月に実家へ帰省します。
その日も久しぶりの我が家で両親とダベッていたのですが、
両親が「あ、そういえば」といった調子でこんなことを言ってきました。
「いやー、この前、証券会社に買わされた商品が大ハズレでね!」
この時点で私は、「あ、これアカンやつだわ、、」と覚悟を決めたのでした。
IPOを回してあげるから、これ買って!
両親の話を聞くに、どうもこういうことみたいでした。
- 馴染みの証券マンからある提案をされた
- IPOの枠を回す代わりに、
- ”ある商品”を買ってほしい
テンプレみたいな展開に、胸のときめきを抑えられません。ワクワクしますね。
ちなみに、IPOとは未上場株の新規公開のことです。
企業が上場する前に、証券会社が投資家に”公募価格”で株式を売るのです。
公募価格は上場後、最初に付く株価(初値)よりも割安なケースが多いです。
そのため、投資家は上場直後に株式を売れば、簡単に儲けられることが多いのです。
要するに、
IPOは(比較的)簡単に儲かるチャンスを得られるよ!
ということです。
ただし、誰でもこのIPOの恩恵に預かれるわけではありません。
証券会社に申し込んで抽選に当たるか、
もしくは上客になるなどして、枠を「回してもらう」必要があります。
今回のケースでは、この枠を営業ツールとして使ってきたわけですね。
なお、この手の「代わりにこれ買って」系はバーター取引と言ったりします。
いわゆる、抱き合わせ販売ですね。
なんだこの商品は、、(絶句)
さて、その買わされた商品というのが問題でした。
その商品とは、優先劣後構造があるファンドへの出資だったのです。
「優先劣後構造ってなんすか?」という方のために、簡単にご説明します。
優先劣後構造を一言で言うと、
「事業がうまくいかなかったとき、AさんよりもBさんの方が、”優先的”にお金が返ってくる」
「Aさんはお金が返ってくる順番が”劣後”する代わりに、
事業がうまくいったらたくさんの分け前をもらえる」
…と言ったものです。
これ、金融知識が乏しい一般投資家に売りつけていい代物ではありません。
事業がうまくいっているときはいいのですが、
うまくいかないときは、本当にびた一文、お金が返ってきません。
ですから、この手の投資には投資先の事業に対する深い専門知識が必要です。
ふつうは専門家が「本当にこの事業は大丈夫か?」という目利き・審査をするものであり、とても素人が手を出していいものではありません。
そして最も恐ろしい点は、
販売した証券マンが、このリスクを説明しなかったことです。
これは、完全に法律違反です。
結局、そのファンドは顧客にお金を返すためのリターンを得られず、
販売をした会社も顧客から集団訴訟を受けることになりました。
結果、私の両親の手元には、投資額の半分しか返ってこなかったのです。
バーターで買わされるものに、百害あって一利なし
この失敗から学べることは、シンプルです。
バーターで買わされるものに、いいものは無い!
こういうことです。
結局、バーター(抱き合わせ)で売ってくるものは、
そうでもしないと売れないようなものだということです。
つまり、
商品自体に価値がない、
それどころか、
顧客の不利益になるようなものの場合もある
ということです。
というわけで、少しでも皆様のご参考になればと(親の)恥部を晒した次第でした。
次は、自分のを晒しますよ!