もう10年前のブログ記事だが、今、拝見しても「おもろいなぁ」と思うものがある。
のらさんの「インデックス投資家の派閥目録」と言う記事だ。
まぁ、私自身はカン・チュンドさんのブログで紹介されていたのを目にして知ったのだが、、
この記事が「おもろいなぁ」と言う点は、割と「思い入れ」が入りやすいこの話題について、淡々とメタ的な視点でインデックス投資の派閥を一覧にされているところだ。
様々な切り口からインデックス投資を捉えているので、下手な「インデックス投資おすすめ!」記事などよりも、思考するうえでの取っ掛かりとして参考になる。
で、私も似たようなことをやってみようと思って、本記事を書いた。
テーマは「インデックス投資 vs 高配当株投資」である。
これまた芳ばしい話題であり、たまにTwitter上でも思い出したように再燃するテーマのように思う。話題がない時のプロレスのネタかもだが。
私の弱小ブログの記事の中でも、なぜかこの話題の記事はコンスタントに閲覧があるらしく、このテーマで悩む方がそれなりにいるのだろうと思う。
株式投資は常に一定量の初心者が流入→一定量の初心者が退場というサイクルを繰り返している分野じゃねーかと思っているので、常にこの手の「最初に悩む人多いよね」みたいな話題は需要があるんだろうと思う。
で、この2大投資スタイルの対立軸として論点になりやすそうな点を意識して、両陣営の派閥目録を列挙してみた。
正直、全然網羅的ではないし、どっちかと言うと私自身の考えも混じっているものなので、この話題について考える際の参考材料くらいに見てもらえると助かる。
「全然なってねーよ」と言う方は、是非ともご自身で派閥を書き足していただきたい。
ちなみに、箇条書きになっているのは、1つ上の階層の派閥の亜種です。
高配当株投資の選択理由
高配当株投資はパフォーマンスが高いよ(パフォーマンス信奉派)
- 配当再投資はパフォーマンスが高いよ(シーゲル派)
- 高配当銘柄はバリュー株だからパフォーマンスが高いよ(ファクター投資派)
- バリュー投資は真の”漢”の投資法だよ(馬龍派)
- 自分で銘柄選択すればアルファを狙えるよ(アクティブ派)
- 利回りの高い時期=暴落時に買うので自然とパフォーマンスが高まるよ(タイミングに自信ニキ派)
- 配当は下落時の買い増し原資にできるよ(自信ニキ亜種)
- 配当利回りが買い時を教えてくれるよ(自信ニキ亜種利回り判断属)
自分で銘柄選択しないとつまらないよ(”やってる感”が欲しい派)
現金収入があるのは嬉しいよ(インカム重視派)
- 毎月配当がもらえるようにポートフォリオ組んでるよ(お手製毎月分配派)
- 連続増配株が至高だよ(増配快感派)
- キャピタルゲインって儲かってる実感がないんだよね(実感重視派)
- 将来の収入の計画が立てやすくていいよね(見通しの立てやすさ重視派)
- 配当が生活費です(FIRE済み派)
- 現ナマしか信じらねぇよ(ヤの付く自営業の方)
高配当株投資は安心感があるよ(精神安定重視派)
- 配当は相場下落時のクッションになるよ(下落時の心の拠り所派)
- 馴染みのある有名な日本株の方がいいよ(結果的に高配当株派)
- 生活必需品とか身近な銘柄に投資すると良いって聞いたことあるよ(知ってるものに投資派)
- ちょっとずつでも配当として利確したほうが安心だよ(漸次利確派)
老後にお金がいっぱいあってもしょうがないよ(”今”を生きている派)
- 配当で趣味や旅行を満喫するべきだよ(QOL重視派)
- 配当で自己投資するべきだよ(意識高い派)
- 時間価値も考えると配当でもらったほうがいいよ(現在価値派)
老後も売却を考えなくていいから楽だよ(老後まで考えてる派)
インデックス投資の選択理由
インデックス投資はパフォーマンスが高いよ(パフォーマンス信奉派)
- ほとんどの人はインデックスをアンダーパフォームするよ(アクティブ懐疑派)
- 色々やったけどインデックス投資が一番だったよ(一周回って帰ってきた派)
- 時価総額加重方式が最も効率的だよ(時価総額加重信奉派)
- 課税時期の繰り延べ分が複利で殖える額はばかにできないよ(税制考慮派)
- 世界中の機関投資家が投資してるよ(今後もマネー集まる派)
将来はわからないから分散投資が一番だよ(分散重視派)
- 特定セクターへの集中投資派いやだよ(消極的分散派)
- インデックスにもGAFAMやハイテクが結構入ってて魅力的だよ(ハイテクも欲しいよ派)
何の知識・スキルも要らないよ(お手軽重視族)
- 投資に掛ける時間と期待パフォーマンスの費用対効果がいいよ(コスパ派)
- 銘柄選択とか研究とか面倒くさいよ(とにかくめんどい派)
- 銘柄は1本に絞りたいんだよ(複数銘柄は管理したくない派)
- そもそも投資自体には興味がないんだよ(投資≠目的派)
- 世間が言うベストプラクティスを選んでおくのが無難だよ(べスプラ派)
- 銘柄選択とかタイミングで失敗したくないよ(失敗忌避派)
○○でも「インデックス投資が一番!」って言ってるよ(他者評価重視派)
- みんな「インデックスが一番!」って言ってるよ(日和見族)
- えらい学者先生もそう言ってるよ(権威派)
- 現代ポートフォリオ理論でも最適解って言ってるよ(理論派)
- バフェットもそうしろって言ってたよ(投資の神様が言ってんだから大丈夫だろ派)
今は自動売却サービスもあるから出口戦略も楽だよ(出口論議にカウンターパンチ族)
その他
- なんか色々言われてて分かんないから、両方やってるよ派
- どっちもそんな変わんねーからさっさと投資しろよ派
- まだ伝統金融資産いじってるのかよ今は仮想通貨だろ派
インデックス投資のほうは、あんまり高配当株投資と関係ない話多いかもしれんな(思考放棄)
ちなみに私は、「どっちもやってるけど、一番関心があるのは中短期のトレードだよ」派です。
トレードだと実際のアクション=売買頻度が多くなる傾向にあるので、あんまり理論的にどうこうよりも、実践としてどうあるべきかっていう話の方が多いように思います。
「こうしたらうまくいくんちゃうか」と考えて、実行して、結果が出るまでが早いので、実践的な改善のサイクルを回しやすいです。
一方で、インデックスやら高配当株やらの「投資」は、必要なアクションの頻度が相対的に少ないので、興味関心が方法論の是非に向きやすいのかなぁと感じます。
「理屈としてこうだよ」「過去はこうだったよ」的な話も、もちろん意味があると思うのですが、「じゃあそれ、今後もほんまか?」が分かるのに数年かかったりします。
トレードだと、「じゃあ、ワークするかどうか試してみよか」がすぐできるので、ある意味で議論の余地がないですね。
この辺りも、○○投資論争が百家争鳴になりやすい一因なんですかね。
「こんな派閥もあるよ!」的なものがあれば、教えていただけるとうれしいです。
関連書籍
ファクター投資は、以下の書籍でお勉強しました。モメンタム最強💪
多くのインデックス投資派閥を生んだであろう聖書。私も最初はこの辺を読んでました。投資手法に対する確信は実践上も意外に重要なので、結果的に理論武装も役立ったりします。
「理論よりも実践を」という文脈では、この辺りが役に立ちました。著者が考える「初級者の定義」は辛辣で耳が痛いですが、自分がそれに陥っていないか、たまに読み直して自省しています。
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