コロナウイルスの影響を受け、OECDが世界のGDP成長率を下方修正したようです。
本日はこのニュースについて、触れてまいります。
OECDは2通りのシナリオを発表しています。
- ベースシナリオでは2.4%(▲0.5pt)
- 悲観シナリオでは1.5%(▲1.4pt)
※ カッコ内は19年11月予想比
この数字が高いのか低いのかは、過去の成長率と比べてみればわかります。
OECDから実質GDP成長率のヒストリカルデータ(2000年~2019年)を引用いたしました。
ちょっと小さいですが、以下図の一番上、「World」の項目をご確認ください。
この図と今回の予測結果を比べてみますと、、
- ベースシナリオの2.4%は、過去20年で3番目に低い数字
- 悲観シナリオの1.5%は、過去20年で2番目に低い数字
- 過去20年で最も低かったのは、リーマン後(2009年)の▲0.5%
…とったところでしょうか。
ベースシナリオは、3番目に低いとは言っても、
リーマン時の▲0.5%とは距離があることには留意する必要があるでしょう。
なお、試算前提の概要は、次のようなものです。
中国が3月末までに感染拡大のピークを越え、その他の国での感染も限定的になるとの前提で試算した。ただ感染収束の前提が崩れて患者数が増えた場合、20年の成長率は1.5%まで下がる恐れもある。
日本経済新聞より引用
「その他の国での感染も限定的」というのが、気になりますね。
既に日本や韓国、イタリアをはじめ、市中感染が拡大中の国・地域が見られます。
この状況が「限定的」に当てはまるのかどうか、あまり楽観的には考えられないように思えます。
コロナウイルスの実体経済への影響は、著名投資家のハワード・マークス氏もCNBCで触れています。
過去のパンデミックが「健康と生存の問題」だったのに対して、今回のコロナウイルスは「世界経済の問題」だと言っていますね。
Dow briefly tumbles 1000 points—What to do
また、同氏はマーケットの楽観から悲観への転落に触れつつも、相場の下落の持続性については、「誰にも分らない」としていますね。
私もこうした考えに首肯するものでして、
「マクロ経済や相場の先行きは、予測しない」
こうしたスタンスの方が、精神的にも楽だと考えております。
もちろん、
「今、経済や相場がどの位置にいるのか」
こうしたことに関心を持って情報を集めるのは必要だと思っております。
今回のニュースを見るに、やはりどうにも、「実体経済への影響を考えると、まだ先が長そうだなぁ」との印象を受けます。
一方で、先行きを予測して「1つの未来」に賭ける投資スタイルは、
予測が外れる恐怖と戦うことになりますから、非常に疲れるものですね。
私の場合はある程度の機会損失を甘受しまして、
- おっかなびっくり、いつもの積み立て投資を多めにする
- 今後も下がり続ければ、さらに多めのペースを続ける
- 早めに事態が収束して相場が戻れば、それはそれでラッキー
…くらいの、ゆるふわ投資スタイルが性に合っております。
皆さんに於かれましても、恐怖に負けない投資生活を送られることを願っております。