資産形成の灯台

高配当株ETF・インデックス投資をメインとした資産形成の戦略策定・実践の記録を配信。SPYD, VOO, QQQ, VGT, DIV, SRET等を運用中。最も尊敬する投資家はハワード・マークスです。

【PER】今の株価は高い?安い?価格・価値の関係から割高 or 割安を測る方法

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「今は投資していいタイミングなのか?」
 
永遠のテーマですね。
 
本日は、その判断を助ける「目安」について、ご紹介したいと思います。

また、2020年2月末現在における株価急落を題材にして、
将来のための教訓を得ることも試みたいと思います。
 

結論:PERに注目しよう


先に結論を申しますと、

「PER」という指標に注目しよう

こういうことになります。

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投資中級者以上の方にとっては、「なんだPERか、、」という感じですね(笑)
私なりの解釈も交えてお話ししたいと思いますので、
お詳しい方も、生暖かい目で見ていただければと思います。

PERとは何か?


PERとは、Price Eearning Ratioの略です。

次の計算式で導き出すことができます。

 

計算式

PER = 株価 ÷ 1株当たり当期純利益(EPS*)

*EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数

 

平たく言いますと、

「投資家がその株式を足元の利益=稼ぐ力の何倍で買っているのか」

と言う指標ですね。


別の言い方をすると、投資家によるバリュエーション(評価、値段付け)の結果です。


もう少し、細かい部分も見ていきましょう。

  • 当期純利益は、(多くの場合)今後1年の決算の予想値を使う。なぜなら、株価は将来予想を先取りするから。
  • 当期純利益は、(ざっくり言って)配当原資+純資産だ。つまり、いずれも株主に帰属する投資回収原資だ。


上記からPERは、

「投資家が投資回収にかかる期間を表現している」

とも言えますね。

 

買う価格を、1年当たりの投資回収原資(=利益)で割っているわけです。

例えば、PER13倍なら、投資家は13年で投資元本を回収できる、と解釈できます。

※ 実際には税金だなんだと色んな要素がありますので、あくまで理論上の話ですね。

 

これを踏まえて「PERが高い」という状況を解釈すると、

  • 今後1年の業績予想が前提だと、長い投資回収期間が掛かるのに買っている。
  • 投資家は、「この会社の実力はこんなもんじゃない」「もっと稼ぐ力を伸ばして、早く投資回収ができる」と考えているかもしれない。

といった考え方ができそうです。


逆に、「PERが低い」という状況を解釈すると、

  • 今後1年の業績予想が前提だと、さっさと投資回収ができるのに価格が低いままになっている。
  • 投資家は、「いくら安くたって、将来性がないよ」「どんどん稼ぐ力が失われていくんじゃないの?」と考えているかもしれない。

といった考え方ができそうです。


いずれにせよ、PERには投資家のバリュエーションが反映されているわけですね。 
「強気」「弱気」というやつですね。

そして、今後の成長期待が高い企業ほど、PERは高くなるわけです。

(まぁ、もっとプリミティブな理由で高いケースの方が多いのかもしれませんが、、)


ちなみに、先ほどの式は次のように変えることができます。


株価 = 業績(EPS)× バリュエーション(PER)

稼ぐ力と、バリュエーションを掛け合わせた結果が価格=株価というわけですね。

 

PERの注意点


PERには注意点があります。

PERは対象企業の1時点を切り出しても、意味がないということです。


つまり、

  1. 同じ業界(国)の他社と比較する。
  2. 過去の推移と比較する。 

 こういった相対的な比較を通して、初めて意味を成します。

 
利益水準は業界や国ごとの税制で異なるので、
全然違うものを比べても意味がありませんね。


また、PERでバリュエーションの行き過ぎ=過熱感を測るうえでは、過去との比較が大変重要になってきます。

この点は、この後触れます。 

コロナショック前のPER水準を見てみる


それでは、コロナショックが起きる前のPER水準を見てみましょう。
今回は個別株ではなく、国ごとのPERを見てみます。
これであれば、「市場全体として過熱しているかどうか」がわかりますね。

歴史的に見ても高水準のPERだった

次の図をご覧ください。これは各国の期待PERの推移です。期間は2004年~2019年です。

これを見ると、以下のような特徴が読み取れます。
  • 米国は歴史的に見てもPERが高かった。
    • 2004年以降のレンジの最高値である18倍の水準にある。
    • 2018年は18倍に達した後、14倍程度まで調整が進んだ。
    • 14倍は、2004年以降の平均値である。

シンプルに考えて、こんなにすぐ、企業の成長力が伸びたりするでしょうか?

どちらかと言うと、買う側が「期待しすぎ」という側面が強くないでしょうか。

 

 

さらに、米国株は2019年の株価上昇の貢献度のうち、ほとんどがバリュエーション(PER)の上昇だとするデータもあります。次の図をご覧ください。
 
先の図と合わせて解釈すると、
  1. 2018年の株価下落は行き過ぎたバリュエーションの修正によるものだ。
  2. そして、2019年の株価上昇は、再びバリュエーションにおける過大評価が進行した結果だ。
と、捉えられるのではないでしょうか。

(出典:両図共にPJモルガン・アセット・マネジメント)

https://www.jpmorganasset.co.jp/wps/portal/gtma?lang=ja_JP

 

こうした状況を踏まえると、コロナショックによる株価の下落は、行き過ぎたバリュエーションの修正としての側面も強い、と捉えることができそうです。


まぁ、後から見れば何とでも言えるのかもしれませんが、
こうした振り返りさえしないと、なかなか同じ罠を避けることさえ難しいですからね、、

あらゆる論理でバリュエーションは正当化される


このように、PERの比較を通して、相場の過熱感を測ることができます。

一方で、このバリュエーションというやつは、非常に厄介です。なぜなら、相場がイケイケのときは、あらゆる理屈で正当化されるからです。


昨年、よく言われていたのは、

「現在の資金流動性を前提とした場合、米国株のPER18倍は決して高くない」

というものです。


確かに、ある面ではその通りなのでしょう。


市場に資金がダブついている以上、株式に流れ込むお金も増えますから、
評価の発射台も一段上げて考える必要があるかもしれません。


しかし、この手の話は割り引いて考えた方がよいと思います。


なぜなら、こうした理由付けをしている人々は、

  1. 高くても株を買ってほしい人
  2. 高くても株を買いたくて仕方がない人

 このいずれかに属することが多いからです。


2番目のほうは、私も当てはまりますね。


目の前で株価が上がっていると、頭の中で、

「バスに乗り遅れるな、、」

と、誰かの声が聞こえてきます。


そんな時に、

「今の株価は高くないよ!適切な価格だよ!」

なんて言われたら、ころっといっちゃいますね(笑)

 

最後に:「買うための材料」ではなく、「冷静に判断する」ための材料だよ!


さて、本日はPERについて見てきました。

改めて強調させていただきたいのは、

PERは自分が買うための理由付けの材料でなく、冷静に現在の状況を判断するための道具だよ


ということであります。


私が投資を始めた時がまさにそうでして、
とにかく「自分が今、買うことは適切だ」という理由を探したくなります。


そうした際に、PERのような本来は過熱感を測る指標が、
結果的に高値掴みの原因になってしまっては本末転倒ですね。


こうした指標が、皆さんの健全な投資生活の役に立つことを願っております。

 

ご参考


「周りを見て過熱感を知る」ことの重要性は、偉大な投資家であるハワード・マークスも言っています。

 

www.lighthouse4you.com