今読んでいる「なぜ悪人が上に立つのか」という本、なかなか面白い。中でも、以下の2つの言説が興味を引かれた。
- サイコパスが物事を判断する際に、規範的意識を司る脳の領域が反応していない。つまり、サイコパスは道徳などの社会的規範に基づく判断をしていない。純粋な自身の損得勘定に基づいて判断している。
- サイコパスはリスクを恐れない。例えば、自分の前任者が国外追放や公開処刑にされまくってる独裁者という地位に、自らなりたがる。彼らの中では、自分は例外であり、うまくやれると信じている。
これらはいずれも投資に必要な資質だと感じた。少し前にも書いたが、投資するにあたって格言とかことわざとか常識みたいなものは邪魔になる。なぜなら、必ずしも目の前の状況に接地しているとは限らないから。
もっと言えば、現実認識が雑になるから。本当はもっと解像度を上げて深堀りするべきところを、雑な一言で済ませてチャンスやリスクを見逃すから。
サイコパスはそうした格言的なものを無批判に受け取るのではなく、眼前の状況を考えるに役立つ情報を抽出し、「では、今の状況にこれは当てはまるか、役に立つだろうか?」という段階的な思考をできるのではないだろうか。道徳のような規範は共同体における生活には役に立つが、経済的な判断においては思考停止に陥るので必ずしも役に立たない。
2つ目のリスクを恐れないというのも、必要量のリスクを取れるという点において役立つ。ただ、必要量をオーバーしないかどうかは、そのサイコパスがさらに「理性的」という特質を持っているかにかかっている。
サイコパスのようなダークトライアド的な性格の特徴として、怒りなどの感情に流されやすいというのがあるのだが、これを制御できるものが成功するサイコパスである。負けた時にマーケットに復讐したいという報復感情に流されず、一つ目の特質である冷徹な損得勘定で判断ができるものが、再び勝利することができるのだろう。
ちなみに私は会社の同僚に、「〇〇さん、相変わらずサイコパスやね」と言われたことがあるので、安心である()
応援クリックいただけますと、励みになります!




