資産形成の灯台

投資・投機との関わり方に関する思索を垂れ流すブログ。

【高利回り】モーゲージREITは投資対象となり得るか?【よく考えて】

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本日は先日紹介した DIV の姉妹商品であり、

同じ高配当ETFであるSDIV を紹介します!

…と思っていたのですが。

ここらで一度、モーゲージ REIT について、
私なりの考えをまとめたいと思います。

 

と言いますのも、このSDIV、モーゲージ REIT が組み込まれた高配当ETF なんです。

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出典:グローバルX

https://www.globalxetfs.com/content/files/SDIV-factsheet.pdf

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モーゲージ REIT はレバレッジを聞かせて高い利回りを実現しています。
ですので、この手の高配当ETFに組み込まれていることが結構あるんです。

ちなみにこのSDIVくん、暴落を食らったことで
配当利回りは17%程度まで上昇しています。
(まぁ、当面は減配食らって利回りが下がるリスクと隣り合わせですが、、)

 

一方で、巷ではモーゲージ REIT のデフォルトを懸念するニュースも流れています。

www.bloomberg.co.jp


そんなわけで、
今、モーゲージ REIT をどう考えれば良いのか、
自分自身の投資方針を検討するために、
まとめてみようと思ったわけです。

なお、モーゲージ REITの概要については、
以前書いたこちらの記事をご覧ください。

 

www.lighthouse4you.com

 

今回は、現環境下におけるリスク面について整理したいと思います。

なお、モーゲージREITを一言で表現しますと、
「レバレッジをきかせて MBS に投資をするファンド」のことです。

 

2020/3/29追記

私がいつも参考にさせて頂いている投資家ジャックさんが、
モーゲージREITについてYoutubeで解説されています!

このタイミングで、めっちゃ助かる、、

私のブログより、こちらを見た方が参考になると思います(笑)

www.youtube.com

 

 

モーゲージREITのリスクについて

まずモーゲージ REIT そのものの前に、
モーゲージ REIT が投資対象としている MBS について考えてみます。

 

MBS とは何か

MBS とは、Mortgage Backed Securitiesの略です。

要は、住宅ローン債権を束ねて証券化した商品です

 

数字が少しあやふやなので恐縮ですが、
米国では住宅ローンの6~7割前後はこの MBS として証券化されているようです。

(なかなかズバリの数字がなかったので、こちらのサイトを参考にしています)

www.quora.com

さらにMBSは、

  1. エージェンシー MBS と、
  2. ノンエージェンシー MBS に分かれます。

エージェンシー MBS というのは、政府機関または政府関連機関(GSE) が元利払いを保証してくれるものです。

GSEは厳密には政府機関ではないのですが、
設立の根拠法や定款で公共性の高い事業を行うことを定めていることから、
「暗黙の政府保証」があると看做されています。

それに対して、ノンエージェンシーMBSは、上記のような政府保証がありません。
つまり、MBSの購入者は債務者のクレジットリスクを負うわけです。

リーマンショック以降は、基本的にエージェンシー MBS が主体になっています。

ちょっとデータが古いですが、2017年の1日当たり取引量で言いますと、
エージェンシーMBSは2000億ドル、
ノンエージェンシーMBSは30億ドル程度です。

(エージェンシーMBSはとんでもない金額の取引量ですね。。)

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出典:BNPパリバ・アセット・マネジメント

https://www.bnpparibas-am.lu/intermediary-fund-selector/when-the-qe-music-stops-us-mbs-will-still-be-dancing/

 

Fedの救済策について

3月23日 連邦準備制度(Fed) は、
この MBS を無制限に買い取ることを宣言しています

 

なぜこのような宣言をしたかと言いますと、
この MBS が市場で売られまくって、
スプレッドが急騰&流動性が枯渇していたからです。

なぜそんなことになったかと言うと、

  1. コロナウイルスによる景気減速で住宅ローンの返済が滞ることや
  2. 一部のモーゲージ REIT で追証を支払えなくなるなどの信用不安が発生したことや
  3. 手元資金確保のために、MBSを含むあらゆる資産が売られていること

こうした背景があります。

 

なぜ Fed は MBS を買うのか

ではなぜ Fed はこの MBS を無制限に買ったりするのでしょうか。

それは、この MBS のスプレッドが高騰したり、
流動性が枯渇するなど不安定になると、
原資産である住宅ローン市場まで悪影響が及ぶからと考えられます。

米国の住宅ローン市場は MBS の存在が前提となっています。
先ほどの流通量を見ても、明らかでしょう。

金融機関は、他の誰かが住宅ローンを買い取ってくれるから、融資ができるのです。
そして、買い取られた債権がMBSとして証券化され、
投資家へ売られていくわけです。

もし、誰も MBS を買ってくれないとしたら?

つまり、 MBSが発行されないような状況になれば、
金融機関は融資の基準を厳しくするでしょう。
(MBSになるには一定の基準があるので、もともと融資目線はあるのでしょうけど)

そうなれば、多くの米国民は住宅を持つことができなくなります。

さすがに極端かもしれませんが、
信用収縮による購買力の低下は避けられないでしょう。

そうした背景があるからこそ、
 Fed は絶対に MBS 市場を不安定化させたくないのです。

 

足元の状況はどうか

3月26日時点の MBS の価格を見てみますと、
急落から底を打って反転しているのが確認できます。
(それにしても、なんちゅー動きしとんねんって感じですが、、)

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出典:Mortgage NewsDaily

http://www.mortgagenewsdaily.com/mbs/

 

まだこの先はわかりませんが、
追証を食らって資産を売却していたモーゲージ REIT の売りも、
少しは収まったのかもしれません。

このあたりは、
「さすがは Fed様や、、」

といったところでしょう。

ブルームバーグニュースでも、
識者の意見としてこうしたことが紹介されています。

 ジャナス・ヘンダーソン・グループの証券化商品責任者ジョン・カーシュナー氏は23日、「当局はエージェンシーMBS市場を支える意思を明らかにした」とし、「安全で流動性の高い資産が過去最大に近いスプレッドで買えて、世界最大のバズーカ砲を備えた組織が支えると言っているのだから、MBS投資は大いに合理的だ」と述べた。

 出典:ブルームバーグ

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-03-25/Q7QCAGT0G1KY01

 

さすがにまだ、「大いに合理的」とまで言えるほどに私の肝は座ってませんが、
パニック的な売り局面はひとまず乗り越えたと考えられそうです。

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所感:モーゲージ REIT が組み込まれた ETF は投資対象になりえるか

さて、以上をもとに私個人の所感を述べます。

モーゲージ REITが組み込まれた ETF も投資対象になり得ると考えます。

その理由としては、

  1. これまで見てきた通り、MBS は米国にとってなくてはならないものであり
  2. Fed もこれを強力に支えることを宣言していて
  3. その価格も下げ止まりの様相を見せている
  4. 従って、モーゲージ REIT もその全てが焼き払われることはなさそうだ

このように考えているからです。

とはいえ、当面は油断できない状況が続くでしょう。

まだコロナウイルスの実体経済への影響は続くでしょう。
そうなれば、債務者の元利払い能力の低下に対する懸念から、
MBS さらに売り込まれるかもしれません。

モーゲージ REIT も、デフォルトや減配が発生する可能性があります。

 

しかし、そうしたリスクを考えた上でも、現在の価格は魅力的です。
例えば、3月28日時点でモーゲージ REIT が多く組み込まれている SRET は7ドル程度です。

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出典:Google Finance

ここまで下がってしまうと、絶対水準としての下落余地は限られてきます。

ですので、

  1. 当面の更なる価格下落リスク・減配リスクを覚悟すること
  2. ポートフォリオ全体の数パーセント程度に収めること

こうした前提であれば、投資自体は可能と考えます。
これらを耐えて将来のため、保有枚数の頭数を増やすことにチャレンジするのも、
悪くないと考えます。

あくまで可能と考えているだけであって、
「積極的に投資できる」と考えているわけではありません。

この点は、強調し過ぎてし過ぎることはございません。

すでにちょっと買っちゃってますけどね。

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最後に:しつこいですが投資は自己責任です!

というわけで、モーゲージ REITに対する投資の可能性を探りました。

自分で書いておいてなんですが、
こうした「Fed が支えるだろう」という見通しに基づいた投資って、
楽観的と言いますか、他人任せで危なっかしい気持ちでいっぱいです。
(彼らはコミットした以上、何が何でも支える組織とは思いますが、、)

 

以上についてはあくまで私見ですので、
皆様が投資をされる際は、ご自身でもじっくり調べられて、
ご自身の判断で資金を投じられるよう、お願い申し上げます。

皆様が後悔のない投資をされることを願っております。 

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