本日は足元の状況と、自分の投資方針について整理をしたいと思います。
ここらで状況を整理して、投資方針を確認しよう
連日の相場のアップダウンで、
戸惑いを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
「はて、これからどうやって投資していこうか」と。
かくいう私も、非常に悩ましいところです。
将来の見通しは不透明であり、なかなか確実な事は言えません。
いつも以上に、不確実性を前提にした投資方針を立てざるを得ません。
そんな頼りない状況ではありますが、
皆さんの状況整理と投資方針の策定に少しでもお役に立てばと思い、
私自身の整理と考えを記事に書かせていただいた次第です。
当然これが正しいという話ではなく、
「こいつはこんなふうに考えるのか」
という感覚で、見ていただければと思います。
他人の考え方に触れることで新しいアイデアや気づきを得たり、極端な行動に走ることを防ぐことができるかもしれない。
…そういった趣旨で、ご参考の一助となれればと思います。
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足元の状況を整理する
まずは、状況整理からまいりましょう。
大きく分けて、
- 外部環境の状況
- 私自身の状況
この2点について、整理いたします。
ボラティリティの状況
NYダウは、連日1000ドル以上の上下動を繰り返しています。
連続で5日間も1000ドル以上の価格変動があるのは、史上初だそうです。
そのうち、3月9日には2000ドル超の下落、
3月13日には2000ドル超の上昇と、これまた史上初の記録です。
VIX指数も、70超まで上昇しました。
リーマンショック時に次ぐ水準となっています。
投資家心理の動き
足元は総悲観モードから、やや投資家心理が改善した状況でしょう。
3月12日までは、
- コロナウイルス感染の欧米における急拡大
- ヒト・モノの停滞による実体経済への影響拡大の懸念の高まり
- 原油価格の急落
- エネルギー企業・原油依存国家の信用不安の高まり
こうした悪材料を背景に、投資家心理は極限まで悪化、
2000ドル超の株価下落を記録しました。
CNN が発表する Fear & Greed 指数(1-100)は、一時、最低の「1」となりました。
One pic.twitter.com/grCds3fhDO
— Thomas Thornton (@TommyThornton) March 12, 2020
その後、3月13日に、
- FRB が50兆円規模の資金供給を発表。
- さらに、トランプ大統領が国家非常事態宣言し、
- 5兆円規模のコロナウイルス対策や、
- 戦略備蓄積の大量購入、
- 学生ローンの利払い免除等の実施を発表。
こうした動きを受け、投資家心理は急速に改善、
今度は2000ドル超の上昇を演出しました。
売買代金も膨らんでおり、一見するとセリングクライマックスのようにも見えます。
今後の懸念材料
一方で、ボーイングやドイツ銀に関する信用不安が表面化するなど、
非常にきな臭い状況です。
これらの企業に限らず、コロナウイルスの蔓延による需要消失の影響を受けて、
信用不安が叫ばれる企業がどんどん出てくる可能性があります。
体力のある大企業はさておき、特に中小企業は相当資金繰りが厳しいはずです。
いきなり売上が半分だとか、数分の一に落ち込むわけですから。
また、デフォルトまではいかなくても、業績の悪化は避けられないでしょう。
今後は非常に悪い数字の決算発表や、業績の下方修正が相次いでも不思議ではありません。
そして、なんといってもコロナウイルスの終息時期が不透明です。
これがあと1ヶ月でおさまるのか、半年なのか、はたまた何度も感染拡大の波があるのか、これを予想することは誰にもできません。
私の資金管理状況
今度はご参考まで、私自身の状況をお伝えします。
特に、こうした下落局面で重要な資金管理についてです。
2019年12月末時点で、私の余剰キャッシュは2500万円ほどありました。
某国内№1投資信託に対する期待を失い、資金を引き揚げていたからです。
市場の過熱を危惧しての面もありましたが、「運がよかった」のでしょう。
その後、相場のボラティリティが高まってきた2月頃から、
複数回にわたって資金を投入しています。
1回の投入額はおおよそ、100万円から200万円です。
対象は高配当ETFのSPYDが中心です。
3月14日時点で、累計600万円を投じています。
生活防衛資金として300万円を残すとすると、投資余力は1600万円です。
今後の投資方針
基本方針として、
市場の最大下落率が5%更新された時を目処に、キャッシュを投じていくこととします。
これまでと同様に、いっぺんに投じることはせず、
100万円から200万円をベース金額にします。
ただし、相場の下落率が50%を超えた時は、
ベース金額以上の資金投入も検討します。
ここまで下がった場合、購入単価としては十分に低い水準です。
それ以上に下がる可能性もありますが、ここらで満足してもいいでしょう。
引き続き、こうした逐次投入を続けるのは、
先述の今後の懸念材料が控えているからです。
特にコロナウイルスの終息時など、さっぱりわかりません。
今後も2番底、3番底があることも、可能性として想定します。
投資対象銘柄は引き続き、SPYDを軸とします。
SPYDは、他の銘柄に比べて下落幅がきついです。
この点については、Twitter上でも話題になっています。
様々な方が分析されていますが、
- 中小型株で構成するインデックスと値動きが似ている、
- エネルギー関連銘柄の下げがきつい
という点が示唆的でしょう。
ラッセル2000(中小型株)が2018年のクリスマスの安値割れ
— かむい@投資家 (@kabutotomoni) March 11, 2020
SPYDの下落率が大きいのも納得。 https://t.co/OMQJaesBx4
昨日もSPYDが他のETF比較でさらに大幅下落。一時28ドル台に。昨日の構成銘柄下落率TOP5は以下。1,2,4位がエネルギーで原油価格暴落による倒産危機ですね。3,5位は不況に弱い不動産。
— ハル@SPYD5,575株 (@haru_tachibana8) March 11, 2020
APA -23.54%
OXY -17.71%
VTR -13.65%
PSX -12.94%
WELL -12.50%
こうした分析を拝見できて、大変ありがたい次第です。
構成銘柄の企業規模については、後で自分でも調べてみたいところです。
一般的に、中小型株の方が値動き=ボラティリティは激しくなります。
SPYDの構成銘柄は、中小型株の比率が同じ高配当 ETF であるHDV やVYMに比べて高いのかもしれません。
景気に敏感なエネルギーや、ほかにも不動産セクターにが多い点は、
初めから覚悟していた点ですね。
リスク・リターンは表裏一体です。
配当利回りが高いということは、それだけリスク(=ボラティリティ)も高くなるということです。
では、投資対象にならないのかと言うとそんなことはないと考えます。
構成銘柄は80社もあるため、デフォルトリスクは相応に分散されていると考えます。
また、足元で構成比が高いセクターは不動産と一般消費財です。
ふわっとした言い方になってしまいますが、
これらのセクターであればショックによる突然死(デフォルト)は少ないのでは、
と考えます。
(その代わり、ボラティリティの高さは甘受します)
なお、現状のエネルギーの構成比は10%程度です。
出典:State Street
https://www.ssga.com/us/en/individual/etfs/funds/spdr-portfolio-sp-500-high-dividend-etf-spyd
ボラティリティについても、裏を返せば「今、安く買える」ということです。
実際、配当利回りは直近底値の25ドル付近で6.8%をマークしています。
以上のようなメリット・デメリットを踏まえた上で
投資をするのであれば、あとは覚悟の問題です。
このまま相場が回復局面に移っても問題ない
なお、このまま相場が回復局面に移る可能性もあります。
状況としては、
- コロナウイルスが1-2カ月程度で終息し、
- 各国の景気刺激策が需要を喚起し
- 企業の業績にも回復の兆しが見え始める
こんな形でしょうか。
こうした状況が見え始めた場合、
マーケットはいち早く反転上昇する可能性もあります。
もしそうなったとしたら、
「それはそれで喜ばしい」
このように考えます。
安値で仕込める額が少なくなるわけですが、
それは更なる安値での仕込みのチャンスとトレードオフです。
「足ることを知る」ことも重要でしょう。
後は今まで通り、淡々と時期を分散しながら積み立てていくだけです。
以上のような方針で、投資をして参ろうと思います。
なお、これはあくまで現時点の方針です。
一貫性を保つことも重要ですが、状況に応じて臨機応変に対応することも必要です。
特に、今の相場のように目まぐるしく変わる状況下では、
ゼロベースで方針を練り直した方がいい場合も出てくると思います。
と、言うわけで、現時点の私の投資方針でした。
ここ数日の相場は本当に付き合っていて疲れるものがありますが、
生涯にわたって役立つ教訓を得らえる絶好の機会でもあります。
皆さんの投資が、実り多きものになることを願っております。