資産形成の灯台

投資・投機との関わり方に関する思索を垂れ流すブログ。

「他人の存在を意識してトレードする」ことも大事

今日はトレード&投資で他人の存在を意識するかどうか、について書いてみたい。

 

マーケットは、自分以外に大勢の参加者がいる。当たり前だ。

当たり前なのだが、実際に取引する段になるとそのことが頭からすっぽ抜けることがある。

まるでマーケットが、自分が儲けるためだけに存在するように錯覚する。

「ここで買ったら、上がるはず(根拠レス)」「ワイが買ったんだからあがってくれ(願望)」みたいな心境になるのだ。

 

これは、非常に自分勝手な考えだ。

 

自分がどう思っているかどうかなどと言うのは、マーケットに無関係だ。

マーケットは他の参加者のエントリー・Exitの合成の結果として形成される。

特に、トレードにおいては他人のポジションを想像して取り組むのが重要だと感じている。

 

あくまで、「他人より有利なポジションを持つこと」を意識してエントリーしなければならない。

言わば、我慢比べだ。

例えば、以下の図だと①よりも②でエントリーしたほうが有利なポジションを持てる。

逆行しても耐えられる余地が大きい。

 

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赤い線=移動平均線まで価格が垂れてきた時に、どのように判断するだろうか。

例えば、次のような2通りの考え方がある。

  1. 移動平均線はサポートになりやすいから反発するはずだ、①でエントリーしよう
  2. やっと他のトレーダーの平均コストまで下がった程度だ

1は別に移動平均線でもチャートパターンでも自分で引いた線でも何でもいい。

視点として重要なのは、「他人の存在を意識しているかどうか」だ。

 

移動平均線で反発しやすい、というのは1つの考え方だ。

だが、「線があるから反発する」というのは不十分と言うか、因果関係を正しく追っていないと感じる。

そこで反発するのは、「そこでポジションを持ってもいい」と考えたトレーダーがいたから反発したのだ。

あくまでそのケースにおいて、「いた」と言うだけだ。

 

一方で、他人の存在を意識した場合は、以下のような考え方もできるはずだ。

  1. やっと平均コスト程度に下がった
  2. これから含み損になるトレーダーもいる
  3. ショート勢は「もう1押しすればロスカットする連中が増える」と考えて仕掛けてくるかもしれない
  4. であれば、他のトレーダーが買い支えたorショーターが攻撃をやめた前回安値付近でエントリーしたほうがいいかもしれない

以上のように考えると、画像の②の位置に指値を置いてエントリーを狙うこともできる。

テクニカルを使ううえで、こうした思考の流れと言うか、「背景でどんな人が何をしてるんすかね」という頭の体操は重要だと思う。

 

当然、そこまで下がらずに反発することもあるだろう。

ただ、逆から考えれば、「このくらい他のトレーダーより優位なポジションでない限りは、エントリーできなくていい」と言う意識でもいいんじゃないかと思う。

自分の場合、大体失敗するのはエントリーが早過ぎて逆行に耐えられなくなるパターンだ。

マーケットは明日も明後日もその先もずっとあるのだから、「有利なチャンスに的を絞る」くらいの感覚のほうがいいと思っている。

 

なお、画像の③=底でのエントリーを狙う考え方もあるかと思うが、これは現実的には難しいと思う。

たしかに、前回安値のチョイ下にロスカットを置く人もいると思うので、そこを狙ったロスカット狩りを警戒するのもアリだとは思う。

ただ、ここまで下がってくれたのであれば、今度は「そこまで下がらずに反発してしまい、有利なポジションを持てるチャンスを失う」リスクも考えたいところ。

 

要は「どこまで逆行を許容するか」と「エントリーのチャンス」のトレードオフであり、ある程度の逆行のリスクは甘受することも必要だと思う。

底でエントリーできたら最高だが、現実的には滅多にそんなことはできない。

 

以上はあくまでトレードの話だ。

一方で、「投資」の場合は必ずしも他人の存在を意識するのが得策とは言えない。

とくに、個人の資産形成においては、「他人」「平均的なパフォーマンス」「インデックス」などを意識し出すと、むしろ弊害が出るとの意見も目にする。

例えば、以下の本でもそのような考えた紹介されている。

 

 

このあたりは、機会があればまた書いてみたい。

 

 

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