先日ちょっと触れた『知られざるマーケットの魔術師』を読みました。
その中で、先日の記事でも触れた「強い興味関心を持つ分野に集中せよ」というテーマにピッタリの人物が出てきました。
この本は著者が個人トレーダーにインタビュー形式で自身の手法や投資哲学を語ってもらうものなのですが、彼は興味関心を持つ分野で強みを持つことの重要性について語ってました。
一部抜粋します。
ウォール街のプロのトレーダーをまねるために、自分を変えようとすべきではありません。
生まれつき、数学の才能に恵まれていないのであれば、数学を学ぼうとしないことです。金融論の知識がないのなら、財務分析を学ぼうとしないことです。どんな人でも、知識か強い関心を持っていて、深い専門知識を身につけるために途方もない時間を費やしてもかまわないと思える分野がおそらくあるでしょう。そういうことを実践しているのなら、専門知識を持たない人に勝てます。市場参加者のほとんどは専門知識を持っていませんから。自分を生かせる分野を見つける必要があります。
私は新人トレーダーに尋ねます。あなたの得意分野は何ですか? どの分野の専門知識がありますか? 大好きなので、空き時間に一日四時間を費やして調査をしてもかまわないと思えることがありますか?
投資は自分の興味があることをして、利益が得られる数少ない職業なので、これは私にとって非常に面白いことなのです。
「得意分野は何か」という問いは重要でしょう。
先日も書いたとおり、他者より秀でようと思えば他者より努力をしなければなりません。
しかし、努力の継続には適性が必要であり、自身の興味関心を持つ分野を自身でわかっていなければなりません。
マーケットは競争の世界であり、彼はそこで勝ち抜くために自身の強みを持つ分野で勝負をしているわけです。
さらに特筆すべきであるのは、彼は既に強い先駆者がいる分野では勝負をしていません。
自分自身で独自に開発した手法によって、ウォール街の人々が得られないような情報を得ることによって優位性を発揮しています。
彼自身はテクニカルもファンダメンタルも使いません。株価さえ見ないと言います。
新開発した SNS のキーワード分析をベースにした手法で売買をします。
得意分野でありなおかつ競合が少ないこと。
よくビジネス書に書いてあるようなことかもしれませんが、実際に実践できているのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
また、彼はその手法に絶対の自信を持っており、強い確信を持ってトレードができます。
本文中でも触れられていますが、自信というのは非常に重要です。
私自身も経験がありますが、トレードの失敗の原因の一つは自分を信じられないことです。
自分が信じている手法を信じることができず、中途半端なトレードをしてしまうことです。
もっとポジション増やすべき場面で増やせない。
もっとホールドすべき場面でホールドできない。
切るべき時に切れない。
いくらルールを作っても、それを信じて守れなければ機能しません。
彼のインタビューはこの「どうしたら自分の手法に自信を持てるか」という問いに対しても、大きなヒントを提供しているように思います。
簡単ですが、今日はここまで。
まだいっぱい魅力的なトレーダーがいますので、折を見て記事を書きたいと思います。
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