NYダウが史上最大の下げ幅となりました。
マーケットは阿鼻叫喚の様相で、理由があっても無くても投げ売りされている状況です。
さて、昨日に引き続き、ハワード・マークスの金言を紹介したいと思います。
本日も投資家心理に関わるものです。
こうした時期だからこそ、プロの経験に裏打ちされた言葉を聞いてみましょう。
ハワード・マークスご自身については、前回の記事をご覧ください。
「景気・市場サイクルは上下動を繰りかえす」
1つ目は、景気・市場サイクルについてです。
皆さんは見出しの言葉を見たとき、
「サイクルが上下動を繰り返すのは当たり前じゃないか、、」
このように思われたのではないでしょうか?
ハワード・マークスは、このように言っています。
どちらの方向に進んでいようとも、多くの人々は永遠にその方向に進み続けると思い込むようになる。
こうした思い込みは市場に蔓延し、バリュエーションを行き過ぎた水準まで動かし、ほとんどの投資家にとって抗しがたいバブルやパニックを引き起こすため、大きなリスク要因となる。
マーケットの極端な動きを目にしたとき、私たちは冷静さを失います。
例えば、今回のような下落に出会ったときは、
「今回の値動きは、これまでと違うかもしれない、、」
「もう二度と、同じ水準には戻らないかもしれない」
「今すぐ売らなければ、一生含み損を抱える羽目になるかもしれない!」
こうした考えが頭をよぎる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご安心ください。こうしたことを考えてしまうことは、自然なことです。
なぜなら、これまでも何度も繰り返されてきたことだからです。
例えば、2000年代以降の10年近くは米国株市場の暗黒期でした。
ITバブルとリーマンショックという2度の暴落を経験し、市場では「米国株は死んだ」とまで言われていました。
まさしく、足元の低迷が永遠に続くと思われてきたのです。
そして、その後の2010年代後半における、米国株市場の目覚ましい伸びは皆さんご存じのとおりです。
これ以前の200年の歴史においても同様です。
米国株市場は上下動を繰り返しながらも、過去の最高値を乗り越え続けてきたのです。
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「投資家の心理は振り子のように揺れ動く」
一見、矛盾するようですが、ハワード・マークスは投資家の心の移ろいやすさにも言及しています。
投資家の心理も、楽観主義と悲観主義、軽信と懐疑主義、機会損失の恐れと損失の恐れ、買い意欲と売りへの切迫感の間を、振り子のように決まったパターンで揺れ動く。
振り子の振動は、高値で買い、安値で売るよう、群衆を駆り立てる。
そうです。まさに、振り子のイメージです。
今の市場は悲観一色に染まっていますが、これはこれまでの楽観一色からの揺り戻しでしょう。
永遠に続くかと思われるような上昇・下落が続いたのちに、振り子が勢いよく戻るかのように反対方向へ振れるのです。
「山高ければ、谷深し」という言葉もありますが、同じことを言っていますね。
そして、この極端な値動きは投資家の心を掻き乱し、冷静な判断力を奪います。その結果、高値で買い、安値で売るという非合理的な行動を決断させるのです。
一方で、このようにも言っています。
極端な状況で逆張りをすれば、損失を避け、最終的に投資を成功させることも可能となる。
「極端な状況での買い」が「損失を避ける」ことにつながる、という点が面白いですね。
安く買えば下値が限られるため、結果的に損失を避けることができる、、というわけです。
「最終的に」という点もポイントでしょう。今はマーケットが下がっていても、また振り子の揺り戻しにより「投資が成功する」ことが期待できるわけです。
最後に:投げ売りをする前に、もう一度冷静に考えていただきたい
現在のような暴落を目にすると、ポジションを解消して早く楽になりたくなります。
それは、とても当たり前の感情です。私自身も、これまでその誘惑に駆られてきました。
しかし、そうしたときこそ、冷静な判断が必要となります。
長期投資を志して投資を始めた方は、その目的を思い出していただきたい。
株式市場は、長期的に見れば勝率が高いものだと信じて、資金を投じられたのではないでしょうか。
多くの人と同じ行動をとると、良い結果にならないことは歴史が証明しています。
皆さんが冷静な判断のもと、ご自身の資産を育てられることを祈っております。
こちらの書籍から言葉を引用しております。
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ジャッキー・チェンの金言もあります。
過去の暴落時の谷の深さは、こちらをご覧ください。