どうも。くじらです。
18日にハワード・マークスのメモがアップデートされていました。
今回も個人投資家としての今後の方針を思案するにあたり、大変示唆深い内容でした。
本記事では、その概要と私自身の今後の方針を書いてまいります。
原文はこちらをご覧ください。
また、翻訳はDeepL先生と、くじらのゆるふわ頭脳エンジンを組み合わせています。
正確性を保証するものではありませんので、ご容赦願います。
あと、「いやハワード・マークスって誰よ」という方は、こちらの記事を見てくださいね。
ハワード・マークスのメモ
FRBが資産価格を押し上げた
FRBの金融緩和策が、あらゆる資産の価格を押し上げたことを指摘しています。
FRBが債券を購入し続けたことで、債券価格が上昇=利回りが下落しました。
投資適格債の利回りが下がったことで、非投資適格債に求められる期待リターンも低下しました。投資家が求めるリターンは、あくまで相対的なものに過ぎません。
ある資産の期待リターンが低下すれば、他の資産の期待リターンも低下します。
もちろん、株式も例外ではありません。
債券の期待リターン低下に伴って、株式の相対的な魅力が高まりました。
流動性の供給は、ほとんどの資産価格を上昇させたのです。
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買いに走った個人投資家
「金を失う恐怖」から、「置いて行かれる恐怖」に市場のムードが変わりました。
これには、新たに参戦した個人投資家も影響しています。
(筆者注:おそらくロビンフッダーのことと思われる)
彼らは給付金で株を買い、ハーツのような破綻企業の株さえ買いました。
彼らの行動は、市場の非合理な側面を加速させることとなりました。
ハイテクの底堅さが彼らを惹きつけ、最終的に彼らはボロ株の相対的なリターンの高さにベットしたのです。
こうした状況が、「メルトアップ」「バイイングパニック」といった狂乱を生み出しました。
FRBは永遠に債券を買い続け、資産価格も上昇し続けられるのか?
果たして、FRBによる支援と資産価格の上昇は永遠に続くのでしょうか?
ハワード・マークスは、「多くの投資家は、その可能性があると見た」と考えたようです。
彼はポジティブな材料とネガティブ材料を列挙したうえで、
「重要なのは、どちらがより強調されたのか」だと指摘します。
これまではポジティブな側面が強調されてきたのです。
そして、それは正当化可能なのか?
こののよう状況下で、3カ月で+45%の上昇は理にかなっているのか?
それは、人によるのでしょう。
市場は一方向への動きをドライブします。
良いもののはより良く、悪いものはより悪く。
一方向への傾きは、反対方向にある材料をすべて無視して進みます。
そして、最近はそれが異常に早い傾向にあります。
史上最高値から危機的な安値までの34%の下落に5週間を要し、6月8日の最高値までの45%の回復には11週間しかかかりませんでした。
私たちにとっての課題は、いったい何が異常だったのかを見極めることではないでしょうか。
強気市場の3ステージ
強気市場には3つのステージがあります。
- 一部の鋭い人々が将来の改善を信じる
- 多くの投資家が改善が進んでいることに気づく
- すべてのものが永遠に良くなると結論付けられる
3月に第1ステージが始まったのち、今回は第3ステージに直行しました。
今は「高過ぎる」のか?
5月、スタン・ドラッケンミラー氏やデビッド・テッパー氏は、
「株式のリスク・リターンは、私のキャリアの中で見てきた中で最も悪いものかもしれない」
「私がこれまで見た中で2番目に過大評価された株式市場かもしれない」
このように発言しました。
しかし、6月以降も株価は更なる上昇を見せています。
彼らは間違ったのでしょうか?
現状の解釈は、
- 「高過ぎる」と、「すぐに下落する」は同義ではない
- 彼らが間違っている
この2つだろう。ハワード・マークスは、1番の解釈が妥当と考えているようです。
彼は自身に対して、株価が割高なのかどうか、この市場がいつまで続くのか、
あらゆる質問をしますが、はっきりした判断はできないと言います。
しかし、評価の一助になることは認めます。
現在の株価は、
- 楽観主義に基づいたものであり、
- 期待にクローズアップし、悲観を無視した結果であり、
- FRBの金融緩和と財政刺激策に支えられたものである
大勢においてこのように考えているようです。
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リターンはリスクに見合うのか?
結局のところ、現在の株価は買いに値するのでしょうか?
株価の更なる上昇には経済指標等の予想以上に良い結果や、 バリュエーションの拡大が必要です。
しかし、それらによって得られるリターンは、想定外のショックによる下落のリスクに見合わないもののように見える、と言っています。
別の表現をすれば、
ファンダメンタルズは良い方向に進んでいるが、
現在の市場は投資家にとって有利とは思えない、
そのように結論付けています。
私自身の投資方針
「割高」であることは認めざるを得ない
私の意見も、彼の見方とあまり変わりません。
株価が上がるには、売り手よりも買い手が多い必要があります。
これまで市場をけん引してきた個人投資家(ロビンフッター)でさえ、
銘柄選別を始めたとの見方もあります。
では、これからの市場で一体誰が買うのでしょうか?
リスクパリティ戦略※を採っているファンドは、VIXが下がれば買うかもしれません。
※ 市場のボラティリティに応じて、機動的にリスク資産の構成比を変える戦略
また、経済やワクチンに関するポジティブサプライズがあれば、
一度慎重になった人々が、再び食指を伸ばすかもしれません。
仮に「株価が高い」としても、「だからすぐに下がるんだ」と考えるのはナイーブすぎるでしょう。
もしそうであれば、とっくにもっと下がっているはずです。
シラーPERは30に近づいてますしね。
一方でハワード・マークスが指摘する通り、
その逆の出来事が起きるリスクと、期待リターンを比較したときに、
現状からさらに大きくポジションを張るのは「個人的に」割に合わないと感じます。
りんりさんのブログで紹介されている通り、
既にS&P500の将来リターンがマイナスに沈んでいるという見方さえあります。
結論としては、「私にとって割高」というのは認めざるを得ないかなと感じます。
じゃあ買わないのか?
じゃあ買わないの?と言われると、そうでもないです。
- これから大幅にポジションを増やすことはしないけど、
- 積み立て投資は止めないで続ける。
こんな方針でおります。
どうせ将来を予測して動くことなどできません。
今から過剰にリスクを取る必要はありませんが、
投資自体をやめたり、ポジションを解消する必然性もないと思います。
特に、長期性の資金は安易に売ること自体がリターン低下につながってしまうでしょう。
この点については、私が最も尊敬する投資ブロガーの1人であるチンギスハンさんのブログで、重要なことを述べられています。
それは、
- FRBの緩和規模をかんがえれば、安易に「割高」とは決めつけられないこと
- 株価は「高い高い」と言われながら高値を更新し続けてきたこと
- 私たち一般庶民の投資家にとって、投資が「必然」であること
こうしたご意見ももっともだと思います。
特に3番は、ハッとさせられる内容でした。
過去から続く異次元の金融緩和の果てに、現金はゴミになるかもしれません。
そうした中、私たちパンピーの選択肢はあまり多くないと思います。
投資を止めるという選択肢が現実的にないのであれば、無理のない範囲で続けるより他ないです。
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最後に
というわけで、私が最も尊敬する投資家の最新のメモでした。
今回改めて思いましたのは、やはり様々な立場の人の意見を聞きつつ、
自身の置かれた状況と折り合いを付けながら自分の道を選ぶことが重要だということです。
他人の話に耳を貸さずに独善的になるのは良くありません。
私はそれで何度も失敗してきました。
一方で、他人の意見と自分の意見の見分けがつかなくなるのは、もっとよくありません。
他人を勝手に信じたところで、決して他人は自分を救ってくれません。
自分を救えるのは、自分だけです。
今後も、このような思索を続けていきたいと思います。
少しでも、読んでくださった方の参考になれば幸いです。
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ハワード・マークスについては、こちらの記事でも紹介しています。