資産形成の灯台

投資・投機との関わり方に関する思索を垂れ流すブログ。

SFと量子力学で学ぶ!投資と確率の考え方

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本日のお品書きです。

 

日中取引、先物で立て続けに1,000円超の下落、、

相場がとんでもないことになってますね。日経平均は日中に1200円下落。
夜11時現在、先物はさらに1000円下落し、19000円を割れて18000円に突入しています。


さらに、NYダウは一時2000ドル超の下落でサーキットブレーカーが発動しています。
開幕発動は初めてのことだそうです。


TwitterのTLを見ていても、ここまで急激な下げは覚えがないと言ったつぶやきが散見されます。


おそらく、私たちは歴史的な下落相場に直面しているのでしょう。

ただ、この下落相場がいつまで続くかは、
現在が過去になるまでわかりません。


後から振り返れば、いつが底だったのかは手に取るようにわかります。
まるで、底を予測することが簡単だと錯覚してしまう方もいるでしょう。


ですが、今を生きている私たちにとって、
将来とは不確実性そのものです。

 

今だからこそ、不確実性と向き合う術が必要


本日は以前の記事で紹介しました、
「将来の確率分布を考える」
これを私の好きなSF(サイエンスフィクション)や、
量子力学に絡めて説明したいと思います。


実は投資とこれらって、すごく相性がいいんです。
どちらも不確実性をテーマにしてますので、
お互いに通じ合うものがあると思うのです。
(SFファンや真面目な科学者からは怒られるかもしれませんが、、)
 

www.lighthouse4you.com

 
そんなわけで、こんな時だからこそ、不確実性と向き合う術について、
お話をしていきたいと思います。

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確率分布をおさらいしよう


馴染みのない方にこの確率分布という考え方は分かりづらいのですが、
皆さんも知っている SF 作品に絡めることで、
少しでもわかりやすくご説明できればと思っております。

 

この確率分布の考え方の要点は、「将来が複数に分岐している」ということです。


つまり、

  1. いいこともあれば悪いこともある
  2. そしてその起こりやすさには違いがある

ということです。


少しおさらいをしましょう。


この図を見てください。

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真ん中の膨らんでるところは、最も起こりやすいところです。

これに対して、
裾野の低いところは、起きる確率が低いところです。


起きる確率は低いですが、起きた時のインパクトは大きい。
そういったところです。


実はこの考え方、量子力学の多世界解釈に基づくと非常に理解しやすいです。


多世界解釈とは何でしょうか?

多世界解釈とは、

  1. 未来は複数に分岐していて、
  2. 無数の可能性の世界が存在している

という考え方です。

 

世界は本当に複数に分岐している!?


量子力学の有名な実験で、2重スリット実験というものがあります。
この実験結果の解釈の一つとして、
世界は複数に分岐しているというものがあるのです。

よりメジャーな解釈として「収束」というものがありますが、
ここでは割愛します。


皆さん、ちょっと驚きませんか?

 

厳密な科学の実験で、「世界が複数に分かれている」こんな解釈がなされるのですから。


私たちが住んでいる世界は思った以上に、複雑怪奇なのです。
こんな複雑で面白い量子力学ですから、物語の題材としてもよく利用されています。

 

多世界解釈とSF作品の定番テーマ


私も好きなSF作品としてシュタインズゲートというものがあります。
このお話は主人公の岡部倫太郎が、複数の並行世界を移動しながら、
ヒロインを救おうとする話です。

この並行世界というのが、分岐した結果として併存している多くの世界ですね。
並行世界では「別の可能性」が実現しているわけですから、
ヒロインを救える可能性もある、、
そいうったお話になっています。


そして、 この並行世界を作中では「世界線」と呼んでいます。
この世界線という考え方は、未来が分岐しているというイメージを
非常に捉えやすい優秀な言葉ですね。

 

私たちは、コロナショックが起きた世界線にいる


例えば、今私たちはコロナショックが実現した世界線にいるが、
そうならなかった世界線もある。。

こうした考え方ができます。


こう言うと、

「起きなかったことを考えて、何になるのか」

このように考えられる方もいらっしゃるでしょう。


しかし、私はこの考え方が有用だと考えます。
なぜなら、

将来は何が起こるかわからない、、
想定外のことが起こり得る。

こういったものだからです。

 

世界の分岐に適応して生き残れ!


将来は分岐していて、どんな世界線をたどるかわからない。
疫病が流行るかもしれないし、戦争が起きるかもしれないし、
金融危機が起きるかもわからない。

 

こうした事が起きた時、自分のポートフォリオはどうなるのか?市場から退場するほどのショックを受けないのか?こうしたことを常に考えられる人が、市場で生き残るのだと思います。


ダーウィン曰く、

強い者が生き残るのではなく、環境に適応したものが生き残る

…だそうです。


先ほどの確率分布の図を思い出してみましょう。
この図の山は、複数の世界線が束ねられたものなのです。

 

そして、この裾野の低いところはブラックスワン、、まさに、我々が今、経験しているようなことです。めったに起こらないけれども、破壊的なインパクトをもたらす世界線だと考えることができます。


私はこの世界線という言葉が非常に優秀だと感じております。
「線」というのは、ルートを想像させます。


つまり、

「今、どの道を辿っているのか」

というイメージです。


多くの場合、道は複数あるものであり、
別のルートをたどった可能性もあるということを想起させます。


確率論を専門とする大学教授であり、伝説的なトレーダーであるナシーム・ニコラス・タレブは、Alternative Histories(違った歴史)という言葉を使っています。
彼は、「起こらなかったことにこそ、思いを馳せろ」と言っています。

 

過去はたった1つの事実などではなく、起こるかもしれなかった「可能性の束」なのだと。

 


こうしたことを頭に入れておくだけでも、
実際の投資判断において、より冷静な行動ができるのではないでしょうか。

困難な時を迎えていますが、
皆さんの投資ライフがより実り多きものになることを祈っております。