どうも。くじらです。
以前書いた『「強い」テーマ型ETFを買う』という記事のアップデートをしたいと思います。
特にモメンタムの観点から、今「強い」ETFをレビューします。
モメンタムってなに?
一言で言うと、「強いものはさらに強くなる」という考え方です。
バリュー、サイズなどのファクターの1つでして、この辺りは過去の記事を見て頂ければと思います。
モメンタムには、2つの種類があります。
絶対モメンタム
- 時系列モメンタムとも言う
- ずっと上がってきたものは、これからも上がる。
- 銘柄自体の時系列データを使って、騰落率の強さを見る
- アカデミックな世界では、過去12ヶ月分のデータを使うみたい
(リバーサルの影響を排除するため、直近1ヶ月分のデータは除く)
クロスセクショナルモメンタム
- レラティブストレングス(RS)とも言う
- 他に比べて上がっているものは、これからも上がる
- 他の銘柄との相対的な強さを見る
- 比較対象の銘柄同士の騰落率を比較する
今回は、この2つの観点から分析をします。
どうやって分析するの?
SBI証券で取り扱っている339銘柄のETFのモメンタムを見ます。
なんで、SBI証券かって?私がSBI証券利用者であり、もし、SBI証券で扱っていない優良ETFが見つかったら悔しいからです(n敗)
今後の投資対象として、自分の監視リストに入れるものを探します。
あくまで個人的な当たりを付けるための分析なので、モメンタムに関するアカデミックな定義にも従いません。
具体的には、Googleスプレッドシートでモメンタムを見るリストを作りました。
👇このSBI証券のページから、取り扱っている海外ETFのリストを抽出してきます。
https://search.sbisec.co.jp/v2/popwin/info/stock/pop6040_etf.html
次に、GoogleFinance関数で、前日比~1年前比までの複数のタイムスケールで、騰落率を算出します。
すると、こんな感じになります。
ちょうど、横軸を絶対モメンタム、縦軸をクロスセクショナルモメンタム風味に捉えます。
各期間別に強い順で並び替えてみて、解釈し、監視対象にしたい銘柄を特定します。
なお、レバレッジ型(ブル/ベア型)には、フラグを立てて分かるようにしておきます。
期間別分析結果
1年前比
まずは、1年前比の騰落率を見ます。
上位は環境系で独占されています。
各種レバレッジ型を圧倒的にアウトパフォームしており、頭おかC。ただし、ここ1週間はちょっとアンダーパフォーム気味ですね。
バブルも何合目か知らんが、押し目と捉えてもいいかもしれません。
今作っているベースの浅めのところに逆指値を置いて、モメンタム逝くまで付き合うのも一案です。私も去年の暮れから、QCLN持っているしね。
次に、GXTGが安定的で目を引きました。こいつは、グローバルXが出している様々なテーマ成長株のミックスです。
時系列モメンタムは、急激な上昇よりも、じわじわと上がるほうが優秀らしいです。 こいつはその観点から綺麗な上がり方をしているし、環境系が逝った足許1週間もつよい。
環境系を入れている場合は、分散を効かせる意味でも面白いかもしれません。
中身見ると大麻とゲノム系が多いらしく、「確かに環境とは関係ないわなぁ」って感じです。
期間別でETFのパフォーマンス見てたら、 $GXTG (グローバルX マルチテーマ成長株)が割と安定して見えた。
— くじら🐋@モメンタム乗ったり降りたり👆👇 (@lighthouse4u1) 2021年1月16日
QQQと比べてもアウトパフォーム、、ええやん!中身なにかな?と思って、構成銘柄のトップ見たら「あっ、ふーん(察し)」ってなった😇🍃🍃🍃 pic.twitter.com/2BqnKsVOmF
似た観点ではGNOMも同じですが、GXTGの構成銘柄にこのGNOMが入っているみたいです。両方買うと被るので、特にゲノムをオーバーウェイトしたいのでなければ、GXTGでいいかも。
他には、REMX(レアアース特化ETF)も面白そう。
レアアース関連の企業に特化ということで、これも多様化と言う意味では面白いかもしれない。
上記サイトで企業の構成比見たら、中国が半分くらい占めるのね。名前見ても、さっぱりわかりません。
日本語ブログが全然出てこないという意味で、注目度がそんなに高くないのかも?注目度が低いことは、個人的にはポジティブに捉えたいと思う。
ただ、他の銘柄よりも「ここ1~3カ月で一気に上がりました」感が強いのはちょっと気になった。チャートも確り見ておいた方がいいだろう。
そして、SMH(半導体ETF)は鉄板すね。。
以前、ブログで紹介しましたが、引き続き安定。もっとオーバーウェイトしても良かったなぁ。
半導体不足が叫ばれる昨今、ファンダメンタルズの観点からもまぁ堅いでしょうと。 バグっている環境系ほどではないが、パフォーマンスも上位20以内に入ってますね。
サイバーセキュリティETFのBUGも縦軸、横軸のバランスがいいすかね。時系列・セクショナルモメンタムともによく見えます。
ファンダメンタルズ的にも、サイバーセキュリティは暫くテーマになるだろうしええんちゃうかな(適当)
6ヵ月前比
次は、6カ月前比の騰落率です。
一番目立つのは小型株ブル3倍のTNA。半年くらい前から意味わからんアウトパフォームしてきたのね。
こいつは個人的にも買っている銘柄。元指標のRussell2000がまだ6合目くらいかな?との見立てなので、引き続き保有したいと思ってます。
ただし、ブル型で値幅が大きいため、ポジションサイズは他に比べて小さめです。
あとはFAS(金融株ブル3倍)、EDC(新興国株3倍)。ここ数カ月で伸びた系ですね。この辺はブル型が怖ければ、普通の非レバレッジ型を買えばいいと思う。
全般的に、コロナ後で伸びそうな銘柄が増えてきた印象ですかね。この辺は、今しばらくの伸びしろを期待して買うゾーンなのかなという印象。
3ヵ月前比
そして、3カ月前比の騰落率。
一気に油くさい見た目になった🛢
GUSH、ERX、OIHなど、エネルギー関連銘柄が上位に食い込むようになってます。このへんは、まだコロナ前の高値を取り戻せていないものが多いですね。
まだ伸びしろはあると思うが、かなりボラティリティが高いじゃじゃ馬な分野なので、エントリーのタイミングが結構、難しい印象です。私も、XLEをちょっと前にいじってました。
深めに押したタイミングで入るか、一時的な含み損を覚悟で、損切りの逆指値を少し離しておく必要があるかと思います。
1カ月前比
1ヵ月前比の騰落率。
ここまでくると、あまりモメンタムは当てにならないかも。アカデミックな定義では、データから取り除かれるゾーンだし。 あくまで、足許の傾向の参考程度っすね。
正直、今まで見た銘柄がほとんどかな?
環境系はまだ生きてますよねとか、やっぱ小型・金融・エネルギー・新興国あたりは強いっすよねとか、そんな感じ。
1週間前比
ここ1週間は最近調子よかった銘柄が利確されていたので、「ここで強いのって、どんなやろ」と気になっていたところ。
なんとまさかのブラジル小型株が1位である。世はブラジルの時代だった、、?
ここでもGXTG,GNOM辺りはランクインしているのは個人的にポイント高い。
あとは、、なんか不動産、REITが多い。これまでアンダーパフォーム気味だったので、ローテーションで資金が流れた先だったのかも。高配当もちらほら見えるね。不動産セクター自体が、高配当だからかな。
まとめ
というわけで、モメンタムから見る「強いETF」でした。
個人的な方針としては、
- 環境系はチャートパターン的に逝くまで付き合う
- SMHは長期枠で引き続き保有
- 多様化枠でREMX、GXTGは押し目があれば買う
- 小型・金融・エネルギー・新興国系は試し玉→徐々に増やすチャレンジ枠
- その他も監視リストに入れて、良さげなセットアップ出来たら試す
…みたいな感じかな。
まぁ、新しく買うやつはいつも通り、一気に買わずにちょっと試し買い→値動き良ければ買い増す感じですかね。
先週末みたいに、どっかで押すタイミングは必ず来るので、急騰後に飛びつくのは避けたいところです。
以上、よろしければご参考まで。。もちろん、投資は自己責任でお願いします!
参考書籍
ファクターについて幅広く学びたいなら、まずはこれがおすすめ。取引コストも加味したうえで、過去データから各ファクター投資の有効性を検証している。
今回紹介したモメンタムについて深堀りしたいなら、次はこれがおすすめ。上述の本よりも、もう少し実践寄りでモメンタム投資の戦略を解説している。1つの案として、モメンタム・バリューのバーベル戦略をおススメしているのも面白い。